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1957年式 Mercedes-Benz W186 300C “アデナウアー・メルセデス” バーンファウンド レストア

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1957年式

Mercedes-Benz W186 300C
“アデナウアー・メルセデス” バーンファウンド レストアベース

車両の細かな状態は写真毎に説明があります

上部スライドには、車両の魅力的な写真が50枚ございます
写真をクリックして説明と共にご覧ください

実に荘厳なラジエータグリル、ストーリー含めてレストアの夢をたぎらせる1台

「史上最大級のバーンファウンド!半世紀以上前に宮内庁に納入された4台の内の1台の発見・・・!あの300SLガルウイングと同じエンジン・基本コンポーネントを持つ最高級リムジン・・・メルセデス・ベンツW183 300Cはレストアの夢をたぎらせる1台!」

 戦前のデザインの象徴であるウイングタイプの前後フェンダーに戦後モダナイズされた箱型のフラッシュサイド・・・ラジエーターそのものとして機能する大型縦型グリルにビンテージなボッシュ製大型ヘッドライトが魅力的な1957年式メルセデス・ベンツW183モデル300Cは、先代のメルセデス・ベンツ770グローサーの後継フラッグシップサルーンとして、第二次対戦わずか6年後の1951年から1957年にかけて生産されました・・・。

性能はライバルのロールス・ロイス・シルバークラウドやベントレーS1を凌ぐもので、日本の宮内庁を含む多くの国家元首や著名人がショーファー・ドリブンカーとして利用した一方、エンジン、サスペンション、シャシーなど、多くの機械的なコンポーネントを、あの象徴的なメルセデス・ベンツ300SL「ガルウイング」と共有し、技術的にも革新的であったW183 300は「ドライバーズ・カー」としても大変魅力的なリアル・クラシックとして全世界に知られています・・・。

ベークライトのステアリング・・・アルミのホーンボタン・・・造形が素晴らしい

「戦後ドイツの経済復興を象徴した高級車・・・
メルセデス・ベンツW186 300アデナウアーは
宮内庁にも納入されたクルマ・・・。」

第二次世界大戦から僅か6年後の1951年4月、フランクフルトで開催された第1回IAA国際モーターショーで発表されたメルセデス・ベンツW186 300は、まさにドイツが戦後の復興を急ピッチで遂げ国際的な自動車市場に復帰したことを象徴するモデルでした・・・。

戦後間も無くダイムラー・ベンツ社は、戦前の770グローサーの精神を受け継いだ、パワフルでエレガントな高級リムジンの製造に力を入れ始めたのですが、第二次大戦後ドイツ国内の混乱と不況からわずか6年目にして、これだけ進歩した車を世界に向けて発表したのはまさに驚愕の事実です。

ドイツ連邦共和国の初代首相であるコンラート・アデナウアーは、1949年から1963年の在任中に自国の経済復興を象徴する様にW186 300を6台採用します。これらには、ライティングデスク、サイレン、カーテン、パーティション、サンルーフ、ハーフルーフのなどの特別仕様が施されていた程・・・その影響力は大きくこのW186 300も別名“アデナウアー”と呼ばれるまでになりました。

W186 300は瞬く間に当時の代表的なプレステージカーのひとつとなり、ロ-マ教皇ヨハネ23世、パーレビイラン国王、建築家フランク・ロイド・ライト、俳優ユル・ブリンナー、20世紀最高のソプラノ歌姫マリア・カラスなどが愛用者リストを飾り、世界のVIPに愛用された名車として知られています。日本においても1957年にヤナセが宮内庁にW183 300Cを4台納入し、上皇后陛下が正田美智子様時代に、初めて皇居を訪問された折の送迎や、各皇室行事に利用されるなど、昭和天皇の御料車として有名なメルセデス・ベンツ770グローサーが戦前の御料車であって以降、戦後においては、このW186 300C・・・、600・・・そして現在のメルセデスベンツ・マイバッハへとメルセデスの系譜は脈々と引き継がれているのです・・・。

1964年当時の報道映像から1957年式W186 300Cアデナウアーがこちらからもご覧いただけます。

https://youtu.be/bSSbe3oXWDE

当時のサービスブック・・・これも超貴重・・・

「最先端技術の結晶・・・!あの伝説の名車300SLガルウイングとコンポーネントを共有したW186 300アデナウアー・・・」

戦後復興への威信をかけてメルセデス・マイスターが誇る匠の技で製造されたクオリティも素晴らしく、ごくわずかなボディのつなぎ目も、隙間を残さず塵合わせされ大変モダナイズした優雅なボディワークを架装したW183 300ですが、その優雅な外観からは想像つかない程、中身もまた革新的技術の結晶でした・・・。

新開発のオーバーヘッドカム、アルミニウムヘッドのM186ストレート6に、3速ボルグ・ワーナー・オートマチック・トランスミッションが組み合わされ、ツイン・ダウンドラフト・ソレックス・キャブレターと革新的なダイアゴナル・ヘッド・トゥ・ブロック・ジョイントの採用により、大型の吸排気バルブを装備したエンジンからは圧縮比6.4:1、115PSを発生しました。

長時間のハードな使用にも耐えうるように、エンジンにはディープ・ウォーター・ジャケット、サーモスタット制御のオイル・クーリング、銅鉛ベアリング、焼き入れした硬化クランクシャフトなどが採用されました。それに加えて高剛性のX型鋼管フレームと4輪独立懸架式サスペンションの組み合わせにより、驚くほど軽快なハンドリングを実現したのです・・・!

またダッシュボードで操作する革新的なリア・ロード・レベリング・サスペンションは、必要に応じてトーションバーを作動させて剛性を3倍に高め、ペダル操作による中央潤滑システムが摩擦点の静粛性を保つ最先端の仕組みを持つと言う物でした・・・。

W183は全シリーズで11430台が生産、その内ここで紹介する1955年9月にデビューした300Cは、51台のカブリオレを含み1483台のみ・・・。発売当時からすでに半世紀以上経過・・・。現在世界に何台現存することか・・・世界的に見ても非常に希少なモデルとなっています・・・。

参考までに当時の価格は22,000ドイツマルク、人民の車フォルクスワーゲンタイプ1が実に22台買える程・・・!またコンポーネントを共有した300SCロードスターや300SLロードスターよりも高価な車両だったのです・・・!

メルセデス・ベンツ・カロッツエリアの車体ナンバー

「まさに史上最大級のバーンファウンド!1957年宮内庁に納入された4台の内の1台の発見に沸く・・・!」

まずは添付写真をご覧ください、個人名こそ伏せて掲載していますが、この車は1957年に宮内庁に納入された4台の300Cの中の1台になります。車体ナンバー186016A7500121・・・第12號供奉車として活躍した車両で、参考資料https://autobild.jp/9533/ 当時のナンバープレート(3た0366)

より左から2番目の車両であることが確認できます。

現在のオーナー様が、ご結婚される際、身長の高い奥様の白無垢角隠しが車の天井に当たることを心配され、知り合いの伝から昭和45年にこの車両を購入・・・。その後しばらく乗っておられましたが、その後写真の納屋にシートをかけて保管・・・。今回30年以上の時を超えてシートが開けられました・・・。

写真でご覧頂けるように、非常に貴重な状態で見つかったヒストリー満載のW183 300アデナウアー、もちろん外装・内装含めてレストアベースになります。

拝見するとまるで時が止まったかのように・・・オドメーターが22040kmで止まっています・・・。

メーターパネル横に手書きで白く書かれた「12供」の文字が第12號供奉車であった事を静かに語り、色褪せないアルミ削り出しのスイッチ類が、ベッカー社製当時物のオリジナルラジオが・・・熱心なエンスージアストの手により、再生されるのを待っているかの様に感じます・・・。

当時さながらに再生レストアを施す過程こそ何にも変え難い時間となり、まさに歴史の1ページを再生するプロジェクトは喜び以外の何でもない事でしょう・・・!

これをここまでお読みになり、未知のプロジェクトに心躍らせていただいている御仁には「釈迦に説法」とはなりますが、クラシックカー文化が浸透する欧州、とりわけドイツ本国には、クラシックメルセデスの専門パーツ・サプライヤーが数社存在し、ビス1本〜シート〜ボディ全体まで取り寄せができるのがなんとも魅力です!

下記に2社程のW183パーツのページを紹介いたしますのでご参考ください。

Niemöller 63,000種のパーツ群、世界で最も重要なスペアパーツサプライヤーです。

1946年から1975年までに製造されたすべてのメルセデス・ベンツのクラシックカーの完全な部品を提供しています。筆者もお世話になっています・・・。

https://www.niemoeller.de/en/w186/w186/BIL

Classic Center Versmold 1953年から1995年までに製造されたメルセデスベンツ専門のパーツサプライヤーです。

https://mercedes-lager.de/shop/300c-186016

リアシートも同様、良い状態で残ります

取材後記

サスペンションの傷みを気にかけ、ジャッキアップした後、30年以上ビニールシートをかけて雨露を避けて来られたオーナー様、ヒストリーもさる事ながら、家族の思い出と共に生涯大切にされて来られた事が大変よくわかる貴重な1957年式W186 300Cアデナウアーでした・・・。

この様な貴重な車がやがて熱心なエンスージアスト様の手により再生レストアされ、もう一度走行できる事を想像すると、それは非常に意義深い事であると真摯に思う次第です・・・。

名車と歴史の再生プロジェクトはまさにレストアの夢をたぎらせる1台であり、これは最高の発見の一つになるかもしれません・・・。

ぜひ実車の確認へ岡山県までお越しください。

▲このとても素晴らしい「1957年式 Mercedes-Benz W186 300C アデナウアー・メルセデス」は現在、岡山県にあります。

本車両は、個人様からの出品依頼ですので、消費税や諸費用等はかかりません。

また現在一時抹消登録中車両ですので、自動車税月割計算は不要となります。

搬出並びに陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の業務でも、クラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。

 

【お問い合わせに際して・・・】

このページの車両は、車の越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。

至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは、

エステートセール®︎スプレマシーは、オーナー様の想いのこもったお車を、インタビューに基づく原稿作成でご紹介し、物・心を整理する、北米文化エステートセールの日本版です。

文化も、次の世代への引き継ぎも、何も残らない、二束三文・安値買取とは全く異なり、オーナー様の想いを実直に表現、思い出は、心にしっかり残しながらも、確実に次の世代に引き継ぐ、ご案内・仲介をいたします。

 

本記事内容は、2021年10月27日、約2時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビューと、頂いた資料、接触体験したものを元に、執筆作成したものです。

非常に限られた時間内での確認につき、状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります事ご承知おき下さい。

また執筆内容に関しては、念入りな海外・国内リサーチを含めて、オリジナルの原稿を執筆しておりますが、現地に赴くなど、裏づけを全て取ってはおりません。 状態等のコメントも、あくまで取材時の天候、状況及び、筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい。

掲載車両に関してのご質問や、現車確認のお申込は、このページの一番下よりご連絡下さい。

尚、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。

何卒宜しくご検討下さい。

スペック

車検

一時登録抹消

走行

22040km(実走行と思えるも不明)

備考

元宮内庁御料車(3た0366資料あり)

バーンファウンド

レストアベース車両

直列6気筒SOHC

VIN#186016A7500121

エンジン形式186

長さ

5060mm

1840mm

高さ​

1600mm

重量

1910kg

排気量

2996cc

出品地域

岡山県